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泣ける映画のおすすめ14選【2024年最新】洋画・邦画・アニメ映画をまとめて紹介

感動でおもいっきり泣ける映画を厳選

 泣ける映画のおすすめ作品を紹介します。わたしが鑑賞して実際に涙を流した作品のなかで、とくにおすすめしたい作品を厳選。おもいっきり泣きたい方や、涙活で気分をすっきりさせたい方はぜひチェックしてみて下さい。

『タイタニック』(1997)

何度観ても号泣する名作ラブストーリー

 1912年、イギリスのサウサンプトン港は、処女航海へ出発する豪華客船タイタニック号に乗船する人々と多くの見物客で溢れていた。名家の娘ローズは、母と婚約者とともに一等席へ乗船。一方青年ジャックは、賭けポーカーでタイタニック号の三等席のチケットを手に入れギリギリで乗船した。そして「絶対に沈まない船」タイタニック号は出航する。そんな中、船から飛び降りようとしていローズをジャックが見つけ──。

 第70回アカデミー賞において作品賞や監督賞をはじめ11部門の受賞を果たした、ジェームズ・キャメロン監督・脚本の名作ラブストーリー。1912年に実際に起き、当時世界最悪の犠牲者を出したタイタニック号沈没事故をモデルとし、現代のシーンとエンドロールを除くシーンが、タイタニック号が氷山に衝突してから沈没するまでにかかった2時間40分の上映時間にまとめ上げられている。主演にはレオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレットを迎え、美しいふたりによる身分差の切ない恋愛に今もなお多くの人々が涙する、色褪せない傑作。

『チョコレートドーナツ』(2012)

実話をもとに描かれたマイノリティの悲劇

 1979年カリフォルニアで、ポールはシンガーを夢見ながらショーダンサーとして働くルディと出会う。ポール自身はゲイであることを隠し弁護士として働いていた。ふたりはすぐに惹かれあい、恋に落ちる。ルディが暮らすアパートの隣には、薬物依存症の母親とダウン症の子供が暮らしていた。ある日、ルディは大音量の音楽を注意しに隣を尋ねると、母親の帰りを待ち小さくうずくまったマルコがいた──。

 1970年代に起きた「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話」の実話をもとに、そのモデルとなった人と同じアパートに住んでいたジョージ・アーサー・ブルームがシナリオを作成。そしてトラヴィス・ファイン監督が映画化したヒューマンドラマ。手持ちで撮影された映像や夜の光が美しくもリアルで、胸の奥まで浸透し、鋭く突き刺す。同時に、たくさんの愛を感じることのできる素晴らしい作品。

『ジョジョ・ラビット』(2019)

色彩豊かなコメディと愛で描く戦争映画

 第2次世界大戦下のドイツにて、10歳の少年・ジョジョは母と二人暮らしをしていた。そんなジョジョにはアドルフというナチスドイツの総統・アドルフ・ヒトラーにそっくりのイマジナリーフレンドがいる。ジョジョはそんなアドルフに助けられながら一人前の兵士を目指し青少年集団「ヒトラーユーゲント」で訓練を受けていた──。

 俳優・コメディアンとしても知られるタイカ・ワイティティ監督による戦争映画。第44回トロント国際映画祭では観客賞を受賞したほか、第92回アカデミー賞では脚色賞を受賞するなど高い評価を受け、また映画ファンからも人気の作品となっている。少年の目線で、コメディタッチで描かれたナチスドイツ。子供だからこその視点により純粋さと残酷さの両方を持ち合わせ、学ぶこと、感じることの多い愛の詰まった作品だ。

『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997

喜劇と悲劇が織りなす戦争下の家族愛を描いた傑作

 グイドは叔父を訪ねて田舎町からトスカーナ地方へ向かうが、その途中、自転車のブレーキが故障する。そこで自転車の修理をするため近くの農地に入ると、納屋のうえから女性が落ちてきた。グイドは慌てて女性を抱きとめると、彼女の美しさにひとめぼれをする。やがてふたりは恋に落ちる──。

 監督、脚本、主演を務めたロベルト・ベニーニ。アカデミー賞では主演男優賞を、カンヌ国際映画祭では審査員グランプリを受賞するなど高く評価され、現在も名作として愛され続けているイタリア映画。第二次世界大戦下のイタリアのホロコーストが描かれており、コメディ色の強い前半とから後半へすすむにつれぐっと重みを増す。喜劇からの悲劇への転調が、ラストの衝撃をさらに強くする。涙なしでは観れない、おそらくこれから100年先も語り継がれるであろう名作映画だ。

Oasis/オアシス』(2002)

超純愛映画!ムン・ソリの圧巻の演技に心打たれる

 ひき逃げ事件を起こした青年・ホン・ジョンドゥは刑期を終え出所するが、誰の迎えもなかった。2年半ぶりに自宅へ帰るも、家族は皆ジョンドゥを疎ましそうにする。そんな中、ジョンドゥは被害者遺族に挨拶をしようとアパートを訪ねる──。

 イ・チャンドン監督の『グリーンフィッシュ』、『ペパーミント・キャンディー』に続く3作目。第59回ヴェネツィア国際映画祭では、監督賞、新人演技賞、国際批評家協会賞を受賞しており、世界で高い評価を得ている。社会になじめない青年と脳性麻痺の女性の恋愛を純度100%で描いている。『ペパーミント・キャンディー』と同様に、ソル・ギョングとムン・ソリのふたりが主演とヒロインを務め、カメレオン俳優としても有名なギョングの演技はもちろん、脳性麻痺の女性を見事に演じきったソリの演技も圧倒的で、多くの人々の心に刻まれるものとなった。

『世界一キライなあなたに』(2016)

映画ファンからも人気の泣ける恋愛映画

 イギリスに田舎町に暮らす26歳のルーはおしゃれが大好き。無職になってしまった両親に代わって家族を支えるためカフェで働いていたが、店が閉店し職を失ってしまう。そして職業案内所から紹介された障がい者の世話係を6ヶ月間することに。その障がい者というのが、お城のような家に住む富豪の息子・ウィル。ウィルは事故により首から下が麻痺し、心も閉ざしてしまう。新しい世話係としてやってきたルーにも、何日間も冷たい態度をとり続けていた──。

 原作は世界的ベストセラー小説、ジョジョ・モイーズの「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」。モイーズは脚本も務め、テア・シャーロック監督によって映画化された。『ゲーム・オブ・スローンズ』で一躍人気となったエミリア・クラークと、『スノーホワイト』や『あと1センチの恋』で知られるサム・クラフリンが主演を務めたロマンティックコメディ。賛否を巻き起こしたラストによって、自身の死生観と向き合うこととなるだろう。

『僕のワンダフル・ライフ』(2017)

涙なしでは観れない動物ものの感動作

 子犬のトビーは兄弟と遊んでいるところを動物管理局のふたりの男に連れて行かれ、殺処分され犬生を終えた。トビーはレトリバーの子犬として生まれ変わるが、酷い暑さの車内に放置されてしまう。そこへ少年・イーサンとその母親がやってきて、トビーは命を救われた。飼い主となったイーサンはトビーを新たにベイリーと名付け、ベイリーは家族に愛され過ごすのだが──。

 W・ブルース・キャメロンの小説「野良犬トビーの愛すべき転生」を原作に、『ショコラ』や『HACHI 約束の犬』を手がけたラッセ・ハルストレム監督がメガホンを取った。5回の転生を繰り返し、2回目の飼い主に会いに行こうとするハートフルな物語。さまざまな犬生が描かれ、人間とペット、動物の絆や関係性について深く考えさせられる。小さな子どもにもおすすめの映画作品だ。続編にあたる『僕のワンダフル・ジャーニー』も要チェック。

ミリオンダラー・ベイビー』(2004)

嗚咽するほど泣いてしまう衝撃作

 かつて止血係(カットマン)として活躍していたフランキー・ダンは、ボクシングジム「ヒット・ピット・ジム」の経営兼トレーナーをしている。これまで優秀な選手を育ててきたものの、今は老トレーナーとなり気難しい性格や選手の安全面を気にするあまり成功を望むボクサーは引き抜きなどで離れていってしまった。ある日そんなダンの元へ、田舎町から出てきた31歳の女性が入門したいとやって来る──。

 原作はF.X.トゥールによる短編集「テン・カウント」より、小説「ミリオンダラー・ベイビー」。クリント・イーストウッドが監督、共同製作、音楽、さらにヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンとともに主演としても出演している。第77回アカデミー賞においては、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を受賞。賛否両論のショッキングなラストに深く考えさせられる。

『エゴイスト』(2023)

鈴木亮平×宮沢氷魚が真正面から挑んだクィア映画

 田舎町で育った斉藤浩輔は14歳で母を亡くし、ゲイであることも隠しながら窮屈な思春期を過ごす。18歳で上京しファッション誌の編集者となった現在は、ありのままの自分を出せる友人にも恵まれた充実した日々を過ごしていた。そんな中、仲間からの紹介でパーソナルトレーナーの中村龍太と出会う──。

 エッセイストとしてさまざまななテーマに愛を持って向き合った高山真。彼が2012年に小説家・浅田マコト名義で発表した自伝的小説「エゴイスト」を原作に、松永大司がメガホンをとり映画化。主演には鈴木亮平、そのパートナーを宮沢氷魚がそれぞれ演じる。カメラと役者の距離が非常に近く、まるで透明人間になってふたりの世界に入り込んだかのような心地に。ナチュラルな演技と光を多く取り込んだ瑞々しい手持ちの映像によって、ドキュメンタリー作品のように映画と現実の世界の距離がぐっと近くなる。愛とエゴは表裏一体。

『ミッドナイトスワン』(2020)

草彅剛の圧倒的な演技力に涙が止まらない

 凪沙は故郷を離れ新宿のショーパブで働くトランスジェンダー。ある日、育児放棄にあった親戚の少女である一果を預かることに。子ども嫌いの凪沙、叔父と聞かされていた凪沙の姿に戸惑う一果。理解し合えないふたりの共同生活がはじまる。そんななか、バレエ教室の前を通りかかった一果はバレエの先生に呼び止められる──。

 内田英治監督による、社会の片隅に追いやられていたトランスジェンダーと孤独な少女の愛の物語。第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞を受賞している。映画向けの演出には賛否がありながらも、LGBTQや子育てなどの社会問題を知るきっかけになるための作品としては見事に感情を揺さぶられる構成にまとめ上げられていた。実際わたしもあるシーンから、涙と鼻水で前が見えない状態に陥った。そして何より草彅剛の演技力が凄まじい。まさに圧倒的。凪沙そのものが憑依していて、美しくもあり力強くもあり、時に繊細なその姿に誰もが釘付けになるだろう。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2016)

こころあたたまる新しい戦争の描き方 

 すずは広島の片田舎で暮らしていたが、18歳になったころに縁談の話が舞い込み、同県の港町・呉に嫁ぐことになった。夫・周作とその家族に囲まれ、不器用でマイペースながらも嫁としての仕事を懸命に覚えようとするすず。やがて戦争が激しくなり──。

 2016年に公開された『この世界の片隅に』の完全版となる本作は2019年に公開。これまでの日本の戦争映画とはひと味違う戦争の描き方によって、多くのひとびとの心をうった感動作。戦争で戦ったのは、銃をもった軍人や特攻隊だけではない。すずのように自分の暮らしを必死で守ろうと闘ったものたちがどれほどいたことか。すずとすずが出会うさまざまなひとびとの交流から、子どもから大人まで「戦争」に醜さを改めて学ぶことができる。

『あん』(2015)

瑞々しい映像と日々の音色、樹木希林の唯一無二の演技に心揺さぶられる

 前科者であるどら焼き屋の雇われ店長、千太郎が雇うことになった老女、徳江。彼女の作る粒あんの美味しさが評判となり、店はみるみるうちに繁盛していく。ところが、徳江が昔ハンセン病を患っていたことが明らかになり、その噂が広まって客足は遠のき──。

  ドリアン助川の原作を河瀬直美監督が映画化。樹木希林、永瀬正敏、市原悦子といった一流の俳優陣に加え、樹木希林の孫である内田伽羅が瑞々しい演技で魅せる。風の音、鳥の声、子どもの声、小豆を煮る音など、日常の音色が響くなか、光をたくさん取り入れた映像が世界の美しさを物語る。日本の黒い歴史とも言われているハンセン病患者への差別や偏見を題材にしており、それを学ぶきっかけになる。

『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)

賛否両論の衝撃のラスト!母親の深い愛に涙する

 幸野家は「幸の湯」という銭湯を営んでいたが、1年前に父親が家を出て行き休業状態に。母親の双葉は持ち前の明るさとたくましさで、パートをしながら娘たちを育てていた。そんなある日、双葉は末期がん余命わずかであると宣告される。

 中野量太監督の商業映画デビュー作品。宮沢りえを主演に迎え、母親の力強くもどこまでも深い愛がユーモラスに描かれている。見事な伏線回収も見どころのひとつ。宮沢りえの演技は圧巻の一言。強く逞しく、そして愛に溢れた美しい母を見事に演じきっている。それぞれ母親像は違えど、揺るぐことない普遍の愛に、多くの人が共感し感動するだろう。そして杉咲花も素晴らしく、すでに輝いている。主題歌「きのこ帝王」にも泣かされる。

『そこのみにて光輝く』(2014)

佐藤泰志 原作!重くて暗い闇の底、微かに輝く愛の光

 仕事を辞めてフラフラとした生活を送っていた佐藤達夫は、ある日パチンコ店で大城拓児と知り合う。拓児はライターを借りたお礼にメシを奢るというと、達夫をバラック小屋の自宅に案内した。そこで達夫は拓児の姉の千夏と出会う。やがて達夫は千夏に心惹かれるようになるが──。

 原作・佐藤泰志の「函館三部作」のひとつ。ただし、原作と異なる部分も多く第38回モントリオール世界映画祭では最優秀監督賞を獲得した呉美保監督作。観ているのもキツくなるような閉塞感、救いようがないストーリーは好みが分かれそうだが、綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也の熱演に引き込まれる。なかでも菅田将暉がとんでもなくいい味を出していて、こういう「どうしようもないバカなのに憎めないヤツ」が本当にうまい。歳を重ねた今でも、日本で彼の右に出るものはいないのではないかと思うほど。この作品ではどうしても爽やかな涙は流せないが、苦しくて痛くて辛い、そしてほんの少しだけの希望の涙が溢れ出てしまうのだ。