『ナミビアの砂漠』Desert of Namibia(2024)-Yoko Yamanaka
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黒沢清監督による、転売を生業とするある一人の男に襲いかかる集団狂気を描いたサスペンススリラー。第97回アカデミー賞の国際長編映画賞 日本代表作品に選出された。
菅田将暉が主人公の転売屋・吉井良介を演じ、その恋人・秋子を古川琴音、吉井のもとで働く佐野を奥平大兼、吉井の先輩・村岡を窪田正孝が演じる。
インターネットの出現と恐怖を絡めた『回路』から20年以上。現在の社会を黒沢清はこう映すのか、と感慨深いものがあった。黒沢監督ならではのリアリティと不穏感ましましの演出、前半の「静」からの後半急にギアをあげての「動」といった構成が良い。
“真面目な悪人”がとてもリアルで、自分がもし悪人になるなら間違いなく吉井寄りだ!と思えてなんだか笑えた。こうやって、人って無意識にだれかを傷つけ、怒らせ、殺意までもたれちゃうんだよね。吉井役は菅田将暉以外に考えられないってほどハマっていた。『そこのみにて光輝く』で拓児役の菅田将暉にも同じこと思ったっけ。
やはりすごいな、菅田さん。
『CURE』や『Chime』といった黒沢作品好きとしては、ややゾクゾク度は低め。一方で黒沢監督の頭の中に入り込めたような感覚が、非常に贅沢で心地良かった。
映画『Cloud クラウド』
公開日:2024年9月27⽇(⾦)
監督・脚本︓⿊沢清
出演:菅⽥将暉、古川琴⾳、奥平⼤兼、岡⼭天⾳、荒川良々、窪⽥正孝、赤堀雅秋、吉岡睦雄、三河悠冴、山田真歩、矢柴俊博、森下能幸、千葉哲也、松重豊
©2024 「Cloud」 製作委員会